2026年3月、家淹れ派にとっては「地味に効く」転換点が来ます。
キーコーヒー株式会社およびUCC上島珈琲株式会社による価格改定の発表。内容を見ると、過去数回の値上げとは質が違って、 いわば「構造的な価格リセット」に近い動きです。
とはいえ、悲観するだけだと損なので……当ラボはここから先を“技術”で守ります。
- いつから:キーコーヒーは 2026年3月1日(日)納品分より価格改定(店頭反映はラグあり)。
- 上げ幅:メーカー出荷価格ベースで 約10%〜30%(カテゴリ差が出やすい)。
- 家庭の最短対策:①小分け冷凍でロスを止める ②抽出比を固定する(スケール) ③“濃い系”で満足度を上げる(トニック等)
- キーの強み:代替策の出口として JET BREW(95) が作れる(時短×置き換え)。

キーコーヒーの値上げはいつから?
キーコーヒーの発表では、価格改定は2026年3月1日(日)納品分より実施されます。 スーパーや量販店の店頭価格に反映されるまでには通常1〜2週間程度のタイムラグがあるため、 実質的には3月中旬頃から棚札の数字が書き換わる可能性が高いです。
当ラボの見解: 「3月になってから考える」だと、まとめ買いの判断も、保存の準備も遅れます。 やるなら “保存の準備”を先に が一番ラクです。
値上げ対象商品はどれ?
先に結論です。キーコーヒーの公式発表は、対象を「一部の家庭用コーヒー製品」としており、品目の“全リスト”は公開されていません。したがって当ラボでは、家庭で困りやすいポイントを「カテゴリ」で特定し、あなたの買い物導線に落とし込む形で整理します。
■ 公式に確認できる“確定情報”
- 改定タイミング:2026年3月1日(日)納品分から(メーカー出荷価格の改定)
- 店頭影響:小売店での実質店頭価格は、10〜30%程度の上昇が見込まれる
■ 家庭で影響が出やすい“優先チェックカテゴリ”(買い回し頻度が高い順)
- 1杯抽出系(ドリップ系)
→ まとめ買いしやすく、値上げが「1杯単価」に直撃しやすいゾーン。
(外部の値上げ一覧では「KEY DOORS+ ドリップ オン」系が“例”として挙がっています) - 豆・粉(レギュラーコーヒー)
→ 容量違い(150g/180g/大容量)で“実質値上げ感”が変わります。買っている容量帯を先に固定して比較するのがコツ。 - プレミアム寄り/ギフト寄り
→ 原材料や包装の影響を受けやすく、同じブランド内でも上げ幅がブレやすいゾーン。
■ 自分の家の在庫が“対象かどうか”を最短で見分ける方法(実務)
- 3月以降に「同じ商品名」でも価格がズレたら、容量変更(実質値上げ)も疑う
- 通販は反映が早い/店頭は在庫がはけてから反映、が起きやすい
- 迷ったら、商品名+容量(g)で検索して“直近の販売価格”を見て判断する(JANが分かると確実)
※対象範囲や上昇見込みはメーカー発表(参考文献)に基づきます。品目の全リストが公開されていないため、本記事では家庭の意思決定に必要な「影響が出るカテゴリ」と「確認手順」に絞って解説します。
家淹れの対策:値上げ分を“技術”で取り返す
小分け冷凍:値上げ前のまとめ買いを“正当化”する
値上げ前の「買いだめ」は家計防衛の基本です。ただしコーヒー豆は生鮮食品で、焙煎直後から 「酸化(劣化)」という時計が進みます。 大量に買っても飲みきる頃に風味が落ちていれば、安く買った意味がありません。
なぜ冷凍なのか?「アレニウスの式」で解く劣化速度
食品科学の世界には、化学反応の速度と温度の関係を示す「アレニウスの式」があります。 経験則(Q10則)として、保存温度が10℃下がると反応速度はおよそ半分になる、という見積もりが使われます。
保存温度が10℃下がると、化学反応(劣化)の速度はおよそ半分になる。
これをコーヒー保存に当てはめると、ざっくり次のイメージになります。
- 常温(約25℃): 標準的な劣化速度。2週間〜1ヶ月で風味が顕著に落ちる。
- 冷凍庫(約-18℃): 温度差は約43℃。理論上、常温の1/16〜1/32まで反応速度が低下する。
つまり、常温で1ヶ月しか持たない豆も、適切な冷凍保存下では長期で品質を維持しやすい計算になります。 これが、値上げ前のまとめ買いを「勝ち」にする科学的根拠です。
最大の敵「結露」と、やってはいけない保存法
「袋ごと冷凍庫に放り込めばOK?」……いいえ、これは最悪の手です。 冷凍保存の最大の敵は結露。冷え切った豆を常温に出した瞬間、空気中の湿気が豆の表面に付着し、 多孔質の豆は水分を吸い込み、逆に劣化を加速させます。
当ラボ推奨:パーフェクト保存プロトコル
値上げを乗り切るための、失敗しない保存手順(プロトコル)は次の通りです。
- 買ったら即、アルミへ:
購入袋がアルミ蒸着でない場合は、遮光性とガスバリア性の高いアルミ袋へ移し替えます。 - シングルドース(小分け)にする:
1回分(例:15gや30g)ずつ、あるいは数日分ずつ小分けして密封。使う豆以外は外気に触れず温度変化も受けません。 - 凍ったまま挽く:
小分けなら解凍待ち不要。凍った豆をそのまま挽くことで、粉砕時の摩擦熱が相殺され、粒度が揃う効果も期待できます。
「毎回ラミジップはコストが…」という場合、100円ショップのアルミ製ギフトバッグでも代用可能です。 ストローで中の空気を吸い出して簡易真空にし、シーラー(100均で入手可)やテープで止めれば、バリア性を確保できます。
冷凍は“やり方”で勝敗が決まります。手順をもっと深掘りするなら、こちらが親記事です。
コーヒー豆は「1杯分ずつ小分け冷凍」が正解。結露させない保存ルール
(上級編:小分け×遠沈管で劣化を止める「1杯分セラー」)


抽出比固定(スケールアフィ):目分量は“浪費”の元凶
2026年、コーヒースケールはマニアの嗜好品ではなく、「家計防衛の必需品」になります。 目分量は、ズレに気づけないまま毎回コストが漏れます。
もし、毎回気づかずに「2g」多く豆を使っていたらどうなるでしょうか?
100g 1,000円(@10円/g)の豆を毎日飲むと仮定します。
- 1杯あたりの損失:20円
- 1ヶ月(30杯)の損失:600円
- 1年(365杯)の損失:7,300円
たった2gの誤差が、年間ではスケール1台分以上の損失になります。 逆に言えば、正確に計量することは最も確実な投資回収です。
2026年の最適解:選ぶべき3つのスケール
価格と性能のバランス(コスパ)に優れた3機種を厳選しました。

当ラボの推奨は、中央の「TIMEMORE」です。 かつては高級機にしかなかった「流量表示(注湯スピードの可視化)」が、1万円以下で手に入ります。 抽出が安定し、豆のポテンシャルを無駄なく引き出せます。
スケールを“流速”まで使いこなすなら:
コーヒースケールで「流速(g/s)」を計測する意味と買うべきモデル
(0円派なら:コーヒースケールは代用でOK(キッチンスケール×無料アプリ))


“濃い系”で満足度を上げる
最後に、節約一辺倒になりがちな気持ちを救う“満足度レバー”です。 エスプレッソトニックは、「豆の消費効率が高い」のが強み。 少ない豆量の濃厚抽出液をトニックで割るので、ロングドリンクとして満足感が出ます。

本家の“吹きこぼれ対策/2層の作り方”まで含めて完成させるなら、こちらへ:
エスプレッソトニックの科学(吹きこぼれ対策&2層レシピ)

キー製品を買うなら:当ラボ的「失敗しにくい選び方」
JET BREWはどんな人向き?
「値上げは痛い。でもインスタントには戻れない」「朝のドリップ4分すら厳しい」―― そんな人の“現実解”として強いのが、KEY DOORS+ JET BREWです。 公式ニュースでも「最短10秒」の簡易抽出として位置づけられています。
- 封を開けてセット
- 少量注いで蒸らし 30秒
- 数回に分けて注湯 180秒
- 液垂れする粉の処理 面倒
- 封を開けてカップへ
- お湯を注ぐ
- 上下に振るだけ 10秒
- ポイッと捨てるだけ 一瞬
なぜ「振る」だけで美味しいのか?
JET BREWは見た目はティーバッグ型ですが、浸漬式の弱点(時間がかかる)を “強制対流(Agitation)前提”で潰しています。 上下に振ることで湯が粉の内部を通り抜け、短時間抽出を成立させる設計です。
【実飲レビュー】秒数で変わる「可変性」の検証
「10秒で薄くない?」に答えるため、当ラボでも秒数を変えて検証しました。 振る回数と時間で、カップのキャラクターが変わります。
明るい酸味と軽いボディ。雑味が出にくくクリーン。
酸味の角が取れ、甘みとコク。日常運用の基準にしやすい。
ミルク割り・カフェオレ運用に寄せるならこの方向。
ここは“レビュー本編”でさらに詰めています(薄い・苦いの理由/当ラボの正解条件など)。
キーコーヒー「JET BREW」レビュー(10秒抽出の真相)

“合わなかった時”のリカバリー(抽出条件・希釈設計へ)
JET BREWが合わないと感じたら、まずは“捨てる前に”ここだけ触ってください。
- 振り時間:10秒→20秒(基準)→30秒(ミルク向け)
- 湯量:濃くしたいなら湯量を減らして希釈設計へ(トニックや氷)
- 氷・希釈:冷たい飲み方は“希釈設計”が味の9割
関連する設計記事:
アイスコーヒーが薄いのは“氷のせい”。希釈設計で味を固定
抽出比率・黄金比・TDS(味を数字で固定する)
コーヒーが酸っぱい原因と対策(温度×時間の修正メソッド)
FAQ
キーコーヒーの価格改定は確かに向かい風です。でも、家淹れは“設計”で勝てます。 小分け冷凍でロスを止め、スケールで抽出を固定し、 濃い系(トニック等)で満足度を上げる。 これで、値上げ分以上の価値をカップから回収できます。
※本記事の情報は2026年1月時点の整理です。価格・対象は改定される可能性があります。
※当ラボは一次情報(メーカー発表)を優先し、家庭で再現できる範囲で検証・編集しています。
参考文献・出典データ
当記事の作成にあたり、以下の一次情報および公的/学術情報を参照しました。
-
[1]
キーコーヒー株式会社「家庭用レギュラーコーヒーの一部製品 価格改定のお知らせ」
https://www.keycoffee.co.jp/news/detail/news_260123 -
[2]
UCC上島珈琲株式会社「家庭用レギュラーコーヒー製品の価格改定について」
https://www.ucc.co.jp/company/news/2026/rel260123.html -
[3]
キーコーヒー株式会社「最短10秒で楽しめる簡易抽出型コーヒー『KEY DOORS+ JET BREW』発売」
https://www.keycoffee.co.jp/news/detail/news_250801_jetbrew -
[4]
KEY DOORS+(JET BREW) 公式サイト
https://www.keycoffee.co.jp/keydoors/jetbrew/ -
[5]
ICE Futures U.S. Coffee C(アラビカ先物)関連情報(一般向け案内)
※相場推移は各データベンダー/公開指標の参照により表示方法が異なる場合があります。 -
[6]
SCA Coffee Standards(標準類の総覧)
https://sca.coffee/research/coffee-standards


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