なぜか「自分ばかり刺される」不思議

夏の夕方、公園やキャンプに行くと「私ばっかり蚊に刺される!」と感じたことはありませんか?
同じ場所にいても刺されやすい人と刺されにくい人がいる……これは偶然ではなく、ちゃんと理由があるのです。
実は蚊は「好みの人」をしっかり選んで刺しているんです。
その秘密を、科学の目で探ってみましょう。
蚊は「二酸化炭素・体温・体のにおい」に反応している
簡単に言うと、蚊は人の出す二酸化炭素、体の温度、皮膚のにおい成分を頼りに獲物を探しているのです。
だから:
- 息が荒い人(運動後など)
- 体温が高い人
- 皮膚から特定のにおい成分が出やすい人
こうした人は「蚊にモテやすい」=刺されやすいのです。
蚊の「標的探し」センサー
1. 二酸化炭素に反応する
蚊は人間が吐き出す 二酸化炭素(CO₂) を敏感に感知します。
数十メートル先からでも二酸化炭素の濃度差を感じ取り、「ここに人がいる!」と近づいてくるのです。
→ 運動して呼吸が速くなっている人や、大人(子どもより二酸化炭素を多く出す)は狙われやすい傾向があります。
2. 体温をキャッチ
蚊は赤外線のように「熱」を感じ取ることができます。
体温が高い人、血流が活発な人は蚊にとって「ごちそうのサイン」なのです。
→ お酒を飲んだ後に刺されやすいのは、血流がよくなって体温が上がるからです。
3. 皮膚のにおい成分
人の皮膚には常在菌がいて、汗や皮脂を分解して独特のにおいを作ります。
このとき出る 乳酸やアンモニア、脂肪酸 が、蚊を引き寄せる大きな要因です。
→ つまり「体質」や「肌の状態」によって刺されやすさが変わるのです。

実際にどう違いが出る?
実験1:運動直後に蚊に刺されやすい
ランニングした後に蚊が寄ってくるのは、呼吸量アップ+体温上昇+汗のにおい、という「蚊が好きな条件」がそろうから。
実験2:お酒を飲むと蚊にモテる?
ビールを1杯飲むと、体温や発汗が増えて蚊に刺されやすいという研究もあります。
夏のバーベキューで「飲んでる人ばかり刺される」のは偶然ではないのです。
実験3:血液型との関係?
一部の研究では、O型の人はA型より刺されやすい傾向があると報告されています。
ただし決定的な要因ではなく、「二酸化炭素やにおい成分の影響の方が大きい」と考えられています。
記者の体験談
私も毎年夏になると「自分だけ刺されすぎ!」と不満をこぼすタイプです。
特に友人とキャンプに行ったとき、半袖を着ていた私の腕が蚊に集中攻撃され、誇張抜きで8か所ほど刺されていたのに、隣にいた友人はほとんど無傷。
「体質の違いってこんなにあるのか!」と実感しました。
それ以来、虫よけスプレーは欠かせません。
科学を知ると「ただ運が悪い」のではなく「理由がある」とわかって、対策する気にもなりますね。
似た現象や応用例
虫よけの仕組み
虫よけスプレーに使われる ディート(DEET) や イカリジン は、蚊の嗅覚を混乱させて人を見つけにくくします。
蚊が活動しやすい時間帯
夕方や明け方は蚊の活動が活発。気温や湿度が影響します。

まとめ:蚊に刺されやすさには理由がある!
- 蚊は 二酸化炭素・体温・皮膚のにおい を頼りに人を探している
- 運動後や飲酒後は特に狙われやすい
- 刺されやすさには「体質」や「生活習慣」が関係する
- 虫よけスプレーや長袖着用などの工夫で対策可能
「自分だけ刺されるのは運じゃない、ちゃんと科学的な理由がある」
そう思うと、夏の蚊との戦いもちょっと面白く感じられるかもしれません。
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